ぱるばか日誌 2017
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ぬかみそチーズ
 オレの唯一できる料理。
 ぬかみそづけ。
 これは料理ではないという意見もあるだろうが、まあ、料理だろう。
 毎日食っても飽きないという意味で、最強の料理のひとつだろう。

 昨年あたりか、この料理をいっそう美味にする手法を思いついた。
 上にチーズを載っけて食うのだ。
 これは超絶的にウマい!!
 酒のつまみに最高。

 と言いつつ、しばらく忘れてたんだけどな。
 インドにちょっと滞在して、帰ってきたりすると、忘れてしまう。
 先日思い出したので、忘れないように記しているというわけ。

 ま、オレのぬかみそづけだからウマいのかもな。
 素材が自家製野菜だろ、その採りたてを漬けるわけだから、ウマくて当然か。
 ともあれ、その上にチーズを載っけると絶品になるのである。
 大根とかカブとか、特に合う感じ。
トリのサブジ
 インド歴も三十年にさしかかろうとしているが、毎回、新しい発見がある。
 今回はトリのサブジかな。

 6月1日からの滞在だ。26日までの予定。
 6月というと、北インドでは最悪の月ということになっている。
 暑いし、湿気は増すし、不快指数は頂点に達する。 
 なんでわざわざそんな月に長期滞在するのかというと、仕事もあるが、果物だ。
 マンゴーと、特に茘枝(ライチ)。
 ここ北インドのウッタラカンド州は茘枝の名産地なのだ。それは6月しか食えない。
 おかげで今回、浴びるほど食った。
 もはや思い残すことは無い。

 マンゴーや茘枝がウマいのは当たり前だから、それ以上は言わない。
 驚いたのは、トリであった。
 鳥ではない。toriという名の野菜だ。
 日本で言うと「ナーベラ(ヘチマのたぐい)だ」と当家のラケッシュ君が言っていた。
 胡瓜くらいの太さで、胡瓜より長目。
 これを、シンプルにマサラで料理する。
 まず、味がウマい。ラケッシュ君(プロのシェフである)に言わせると、ダシがよく出る。
 そして、なんとも言えぬ歯応え。ぷにょぷにょしていて、噛みしめるとじゅわっと味が出てくる。
 こんなサブジ、ほかにないなぁ。ヒットだ。
 そして、この野菜は夏場しか出てこない。
 道理で知らなかったわけだ。
 (ちなみに、トリのサブジは家庭料理だから、町の飯屋では食えない)

 というわけで、暑い国には夏行けと言うが、いいかもな。
 北インドの6月。
 (ま、一週間くらいで)
バスマティとコシヒカリ
 インドでウマい米を見つけた。
 Minimogra(ミニモグラ!?)という商標で、下級のバスマティ米だ。
 高級バスマティより粘り気があって、オレの口に合う。
 それで日本に持ち帰る。(持ち込んで良いのか知らないが)

 インド米にはインド米の調理法がある。
 炊くんじゃなくて、茹でるのだ。パスタみたいに。
 しかしオレにそんな芸当はできない。
 だから普通の炊飯器で普通に炊く。
 当然、インドで食うほどウマくない。
 日本米より水を多目にしたほうが良いみたい。
 それでもイマイチ、ウマくない。
 ウチのインド娘もあまり好まない。(日本米を食いたいと言う)
 パサパサした感じなのだ。
 それでしばらくご無沙汰していた。

 今日、ウチのインド人シェフがタイカレーを作った。
 カレーにはやはりインド米。
 久しぶりにミニモグラを炊こうと思う。
 先日、実家から新米のコシヒカリをもらってきた。混ぜてみたらどうなるだろう。
 バスマティとコシヒカリ、東西の横綱だ。半々の分量で炊いてみる。新米でもあるし、水加減は日本米と同じ。
 すると、けっこうイケるのだ。
 バスマティ特有の香りもあるし、適当な粘り気もあるし。
 インドで食うミニモグラに勝つかも。
 ウチのインド娘もウマいと言っていた。
 (おとなしい娘だからな、オレが炊いて「ウマいか」と聞けば「ウマい」と答えるに決まっているが)
北京の餃子
餃子と言えば、最近は宇都宮と浜松でツバゼリアイを演じているようだが、もともとは中華料理だ。
北京に立寄った折、取引先のオーナーに連れて行かれた。街角の餃子専門店。
北京語ではギョーザと発音されないんだけどな。ジャンズーとか言ってた。
こざっぱりした店だったが、豚、牛、羊、蝦、ベジタリアンなどいろんなのがあった。
チーズ入りなど洋風なのもあるらしい。さすがに頼まなかったが。
日本と同じで、調理法は蒸しと焼きの二種類。
北京のビール「燕京啤酒」とぴったり。
燕京とは北京の古名だ。

中国では北方でよく食われるらしい。
たしかに小麦粉の料理だからな。北方系か。
つい先日あった中国の正月、春節にはみんなで食うそうだ。
オーナーも含め三名の中国女子と同席したが、三人とも家庭では月一ぐらいで食べていたという。
意外に少ないなと思ったが、餃子作りは手間がかかるので、基本的にお祝い料理らしい。
家族みんなで作るんだという。
皮から全部。

日本みたいにできあいの皮もあるが、やはり手製の皮が好まれるようだ。
のし棒で作られる手打ち皮は、中央部がやや肉厚になり、そのせいで具を入れても破れづらい。
手打ちうどんと同じで、きっと歯応えも違うのだろう。

最近はインドでも餃子が流行っている。
おそらくはチベット・ネパール経由で入ってきたもので、餃子ではなく、「モモ」と呼ばれる。
弊社のある北インドの片田舎にまで、モモ屋がある。
弊社スタッフのインド女子も、美味しいモモを作る。
幸か不幸か、カレー味のモモ…は、まだないようだ。
椰子酒
 椰子酒。
 8年ほど前、東インド・バスタル地方で初めて飲んだ。
 椰子の木から降ろしたてで、発酵も弱く、ほんの少々アルコール気のあるカルピスみたいでウマかった。

 バリ島にも椰子酒がある。
 Tuekと綴るが、トゥアと発音する。
 椰子の木の花序を切って、そこに容器をくくりつけ、したたる樹液を溜め、自然発酵させる。
 夕方に仕掛け、朝に降ろす。
 木から降ろして半日くらい経ったのを飲んだ。
 インドで飲んだのよりも発酵が進んでいるから、酸味が増し、アルコール度も高い。ビールくらいか。

 トゥアを蒸留すると、アラク酒になる。
 このアラクは供物として鬼に捧げられる。悪さをしないように。

 トゥアにしてもアラクにしても、合法ではないから、大っぴらには売っていない。
 でも、どこでも手に入るようだ。
 トゥア1リットル1万ルピア(約100円)。
 インドネシアにはビンタンというスーパードライ風のビールがあるが、やっぱトゥアだな。
 冷やして飲むと良い。
 常温で放置しておくと、翌日にはほとんど酢と化す。

  淡水に乏しいバリ東部では、トゥアを常飲する。
  トゥアを常飲すると太る。
  ゆえにバリ東部には肥満が多い。

 これは宿の運転手から聞いた三段論法。真偽のほどは定かで無い。
スパイスの威力
 拙宅の屋根裏にはネズミが棲息している。
 最近、賢くなったみたいで、罠にかからなくなった。
 油揚げとか、チーズとか、旨そうなものを仕掛けておくのだが、見向きもしない。
 もはや殺鼠剤しかないか…
 と思っていた、一昨日、冷蔵庫の中にパコラを発見。
 何かピンと来るものがあった。
 
 パコラとはインドの野菜天麩羅。
 弊社カフェで供していたランチの余りだ。中身はジャガイモ。
 ただの天麩羅ではなく、スパイスで味付けてある。
 これはネズミに効くかも!?

 そこで一昨日の夜、屋根裏に仕掛けてみる。
 すると翌朝、あっさり、一匹かかっている。
 やはり油+スパイスは強力なようだ。
 小さなハツカネズミであった。
 しかしながら、まだ天井裏が騒がしい。

 そこで今朝、再び、パコラを仕掛ける。
 ランチの残りがいくらでもあるのだ。
 いかに強力でも、ウチのネズミも賢いからなぁ、そうたびたびは…
 と思っていたら、夕方、またあっさりかかっていた。
 しかも、二匹。同じくハツカネズミ。
 やっぱ、パコラはスゴいかも。
 ちなみに、使われているスパイスは、赤唐辛子、ウコン、アジワイン。
インド風・猪カレー&豆カレー
 地元猟友会のおじさんから、イノシシの肉をもらった。
 この野獣は畑を荒らすので、市も積極的に駆除に乗り出している。
 ウチの畑もだいぶやられている。
 今日到来したのは、以前駆除された猪の冷凍肉1.5kgほど。
 それを見て喜んだのは、ウチのシェフ、ラケッシュ君。

 インドU州にある彼の実家周辺でも、よく食うんだそうだ。
 地元住民が罠で捕らえたやつの、おすそ分けに与るらしい。
 もっとも、U州では野生動物の捕獲は御法度なので、密かにやるんだと。
 それをカレーにして食う。
 インドにも肉のカレーはある。
 ラケッシュ家の場合、チキンや山羊が主で、ときどきイノシシが現れる。羊を食う場合もある。
 ラケッシュ君の個人的嗜好で言うと、1山羊、2イノシシ(豚)、3チキン、4羊、だそうだ。
 妹のスープリア嬢のランキングは、1山羊、2チキン、3イノシシ。
 日本人から見ると意外なのだが、山羊が一番人気なのである。
 もちろん、ビーフカレーなんてものはない。

 一時間半ほどして出来上がったインド風イノシシカレーは、ややドライタイプ。
 日本のいわゆるポークカレーとは違って、見た目はほとんど肉ばかり。
 トマト&タマネギとスパイス類で煮込んだものだ。
 カレーというより、肉料理。グラーシュみたいに柔らかく煮込んである。
 インド人はこれを酒を飲みながら食うらしい。
 と言っても、ラケッシュ家はヒマラヤ山村出身だからな。
 インド人にもいろいろあって、ヒマラヤ山村出身といえば、かなりの田舎者ということになる。

 ラケッシュ君もスープリア嬢も美味そうに食っていた。
 猟友会のおじさんからまたイノシシをもらってほしいとラケッシュ君。
 オレもウマいとは思ったけどな。
 でも、どちらか言うと、ラケッシュが同時に作ったラジマ豆カレーのほうが好みかも。甘みがあって、ホクホクして、ウマい。
 やはり標高二千mを超えるヒマラヤ山村で育った豆で、インドのラジマ豆の中ではピカイチだという。
 ラジマ豆というのは、日本の金時豆かな。
 おそらく北海道の金時豆も、それに劣らず美味なんではないかと思う。
 それで勢い余って、北海道の大正金時を1kg注文してしまった。
 ウマい豆カレーができたら、弊社・秋季大祭の折、出してみようかと思う。
 
野菜のアルデンテ
 秋野菜がピーク。
 今年はやけに出来が良い。
 自家では消費し切れないので、毎日会社に持って行ってはスタッフたちに頒布している。

 だいたい野菜なんて好きではなかった。
 身体に良いというから、仕方なしに食っていた。
 薬みたいなもんだ。

 ところが、最近思うんだが、オレの野菜って、なんてウマいんだろう。
 今で言えば、大根、カブ、レタス類、菜っ葉類…
 化学肥料をやらないから肥大せず、そのぶん味が濃厚なのであろう。

 それからもうひとつ。
 新鮮さだな。
 収穫してその日のうちに食うわけだから。
 歯応えが違う。
 アルデンテなわけだ。
 これは大事だ。
 うどんにしろパスタにしろ、のびちゃったら台無しだろう。
 野菜だって同じなのだ。
 畑から来たばかりのは、活きが違う。
 この辺だろうな、オレの野菜のウマい秘密。

 もはや薬の範疇ではない。
 それだけでかなり満足するから、肉とか油っこいものとか穀類とか、そんなに欲しなくなる。
 身体にも良いことであろう。

 考えてみたら、江戸時代の人々はだいたいそうだったわけだ。
 八割が農民だろ?
 化学肥料なんてないし。カネもないから、自家の野菜を食うほかあるまい。
 で、自然に、アルデンテの野菜を楽しんでいたはずだ。
 野菜がウマいと、人生、だいぶ違うと思うぜ。
 あと、少々の米と味噌があれば、充分ちゃう?
 そんな暮らしを送っていれば、多少デフレであろうが財政赤字であろうが消費税が上がろうが、あまり関係あるまい。
至福の南インド飯
今、南印アーンドラプラデシュ州のヴィシャカパトナムに居る。

しかし、オレも世界中いろんなところを旅したが、いちばん飯のウマいところはどこかと聞かれたら、たぶん、南インドと答えるだろう。

一見すると何の変哲もない、ごった煮だ。
基本的にベジタリアン。
しかし、ひとたび口に入れると、至福の時間が訪れる。
北インド飯みたいにオイリー&ヘビーではない。
独特の風味を醸す南インド珈琲もイケる。
アルコール摂取の習慣のない土地柄なので、そのぶん飯がウマいのか。
そもそもインダス文明五千年の血を引く南インド・ドラヴィダだ。
数学が強いだけではないらしい。
菜食という信仰
昨日、故あって、昼夜、外で玄米食をした。
昼は世田谷ものづくり学校のカフェ、夜は吉祥寺のマクロビオティック。
前者はウマかったが、後者はイマイチだった。
何が違うかというと、前者の料理には魚介が使われていて、後者は完全ベジ。

マクロビというと、オレも学生時代に出会って、桜沢の著書にも親しんだことがある。
言ってみれば、信仰なわけだ。
信仰がないと食えない料理だと思う。

弊社のカフェでも、シェフ・ラケッシュが完全ベジで料理を供する。
これはオレみたいな不信の徒でもじゅうぶんウマい。
この違いは、ひとえに、信仰の長さだな。

人類はそもそもベジタリアンじゃない。
雑食だ。
それがベジるってのは、そこにベジ信仰が介在するからだろう。
言うなれば不自然な営為なのだ。
インドでは数千年前にベジ信仰が出現し、それが現在に至るまで強烈に存在している。
それゆえベジでも強烈にウマかったりする。
数千年を経て、信仰が文化になったわけだ。
その一要素が多種多様のスパイスの存在だろう。

日本食のベジに関して言うと、一般の文化になるまでにはまだ時間がかかるかもな。