ぱるばか日誌 2017
<< December 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 『生涯健康脳』 扁桃体と瞑想 | main | 広州白雲空港 >>
『あなたの体は9割が細菌』 腸内細菌と瞑想
 アランナ・コリン『あなたの体は9割が細菌』。最近邦訳出版された本だ。今朝の朝日新聞にも広告が出ていた。
 9割というのは、人間の細胞数に対する体内細菌数の割合。人体内の微生物の数は100兆個であり、それは人間の細胞1個につき微生物9個の割合なんだそうだ。
 その微生物(細菌)の総重量は肝臓に匹敵する1.5kgであり、それはヒトゲノムの延長として働くひとつの臓器のようなもので、人間はそれ無しに生きることはできない、という話。

 ひとつ面白かったのは、体内に棲むそれら微生物は宿主の感情や行動や意志決定さえ操っているということ。
 前回の記事「扁桃体と瞑想」の中で、「ワクワクドキドキを感じる時、この扁桃体が報酬系に指令を出し、ドーパミンを放出させる」という話をご紹介した。ドーパミンというのは瞑想に関与していると思われる神経伝達物質だ。
 本書によると、このドーパミンは、腸内細菌によっても放出されるという。
 また、トリプトファンの破壊を防いで幸福感を増進し、免疫系の興奮を鎮めて不安を和らげる働きもする。トリプトファンはセロトニンに直接変換されるアミノ酸で、「幸福感を得るのに欠かせない物質」だ。

 そうした細菌の住処は、少々が小腸、大部分が大腸である。
 ここで思い出すのは、臍下丹田。
 これは臍下三寸と言われるが、これを本書に従って解釈すると、おそらく細菌数の一番多いであろう直腸あたりを中心として腸全体を象徴するということになるんじゃあるまいか。
 丹田とは「丹=霊薬」の「田=工場」であり、これは腸内で霊薬すなわちドーパミンやセロトニンが産生されている、という風にも考えられる。その産生には微生物も大いに関わっているわけだ。
 先日書いたように、「ワクワクドキドキ」すなわち知的好奇心が生ずる時には、臍下丹田が活性化して、気持ち良い。これも腸内細菌が関与しているかもしれない。というのも、知的好奇心が生じるということは、宿主に余裕と向上心があるということで、それは間借り人の微生物にもメリットがある。それでドーパミンを放出させて、宿主に報奨するというわけだ。ターボチャージャーみたいなもんだな。
 静かに坐るということが果たして微生物の利益になるのか定かではないが、ま、このターボチャージャーを上手に利用するってもんだろう。行住坐臥すべてにおいてだ。

 また著者によると、こうした細菌群は感染もする。それゆえ「ビジネススクールに行くと起業家指向の性格になる微生物を拾うかもしれない」とのこと。
 これは仏教の三宝を想起させる。仏法僧だ。僧というのは坊さんじゃなくて、僧伽(サンガ)すなわち求道者の集まり。僧伽が尊いのも、志を同じくして高めあうのみならず、その集まりの中には求道菌が充満しているのであろう。師からの伝法も同じ。禅宗では不立文字教外別伝と言うが、言葉や教えじゃなくて細菌群が伝わるのかもな。

 著者は、人体に住まう微生物のことを調べるうちに、「自分自身を独立した存在と考えるのをやめ、マイクロバイオータの容器だと考えるようになった」そうだ。マイクロバイオータというのは体内微生物の遺伝子総体のこと。
 そもそも人間の細胞内にはミトコンドリアのような他生物起源の器官があるし、また人間の遺伝子の中にはかつて取り込まれたウィルスの痕跡もある。
 そうしたすべてを含めて、私とは何か!?
COMMENT









Trackback URL
http://parpar.jugem.jp/trackback/334
TRACKBACK