ぱるばか日誌 2024
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亜細亜大運動会
けっこう好きかも。
Asian Games。
28年前のニューデリー大会のテーマ音楽まで覚えてたりして。
今回はインドが大活躍で慶賀の至りだ。
インド国歌、初めて聴いたぜ。
オリンピックじゃなかなか聴けないからな。
(ホッケーの表彰式なんか放映されないし)
ただ、聴いたそばから忘れてしまうような、パンチのないメロディーであった。
インド音楽じゃないのだ。
中国国歌と同じで、洋楽だな、あれは。
まあ国歌という観念が西洋由来だからしょうがないか。
その中で「君が代」はちょっと非洋楽的で、異彩を放っていると言えるかも。

女子アスリートの格好が面白い。
中東のイスラム圏は、頭の先から足の先まで蔽っている。
露出しているのは顔と手だけ。ちょっと場違いな感じ。
日中を始め大方の国はセパレーツだ。
臍まで出して、ほとんど水着。
これに対して、インドやインドネシアは、臍は出さない。
ボトムも「短パン」だ。
インド婦人の正装・サリーは臍を出すけどな。
古代オリンピックは素っ裸でやったし。
(いや、別にそれを期待しているワケではない)
男声合唱団員の人生行路
大学に入って、合唱団に加わった。
W大グリークラブという男声合唱団で、大学合唱界では有名な存在だった。
パートは四部で、上から、トップ・テノール、セカンド・テノール、バリトン、バス。
オレはいちばん低声のバスだった。
体育会的な身分制があって、四年生は天皇、一年生は雑巾と呼ばれた。
その頃、セカンド・テノールの四年生に、影山日出夫という人がいた。
どっかで見覚えない?
そう、NHKの解説委員だ。

驚いたぜ。
この8月に、局内で自ら命を断ったというではないか。
ちょうどオレがインドに行ってた時だ。
きのうネットで気づいた。

天皇だからして威張った感じの多い四年生の中で、影山さんは親しみやすい人だった。
どこかとぼけていて、その顔にはいつも笑みがあった。
合唱団の文集の中に、「いつか浮浪者の群の中に歌の上手い男がいたら、それが私だ」とか書いていた。
それがNHK政治部の記者になり、そのうち解説委員として登場した。
ずいぶん話が違うじゃん影山さん、と思った。
道を間違えたのかもな。
やっぱあなたは、解説じゃなくて解脱の道を歩むべきだったのだ。
乞食の中に身を投じた大燈国師のように。

同じバス・パートの一級上に、柿沼郭という人がいた。
学部も同じだったから、机を並べて英会話の授業に出たりした。
この名前も見覚えない?
やっぱりNHKのアナウンサーだ。
けっこう入局する人、多いのだ。この男声合唱団から。声が良かったりするし。
オレも一歩間違えたら同じとこにいたかも。

な〜んてな。
あの身分制に馴染めず、一年ともたなかったのだ。
ハングルの秘密
前回の続き。

韓国の代表紙・東亜日報はハングル文字で埋め尽くされている。
そこでひとつ疑問が起こる。
同音異字についてだ。
日本語の特に漢字には同音異字がいっぱいある。
たとえば「カン」を入力すると、韓、館、汗、感、艦などいろいろ出てくる。
これを、かんじをしようせずかなでひょうきするとどっかいがこんなんになるんじゃあるめえか。
ハングルの場合はどうなんだろう。

ちょっと調べてみた。
すると、日本語の「カン」に相当するハングル文字は十種類ほどあるらしい。
・한「ハン」 韓、漢、環、寒、閑
・간「カン」 間、干、汗、刊、缶、姦、奸、幹、看、桿
・관「クヮン」観、官、完、棺、関、貫、冠、管
・감「カム」 感、監、鑑、檻、勘
・환「ファン」歓、換、喚
・완「ワン」 緩、完
・함「ハム」 艦
・권 「クォン」巻
・강「カン」 姜
・건「コン」 乾

すなわち、「カン」に関する限り、日本語に比べるとハングル文字の同音異字の可能性はかなり減るのである。
更に漢語は熟語が多いから、事態は更に容易になる。
たとえば、「かんけい」。
関係は관계 「クヮンギエ」だし、環形は환형 「ファンヒョン」、奸計は간계「カンキエ」。
というわけで、漢字を使わなくても、イケるかもしれない。
というか、実際、イッているわけだ。
話し言葉に関しては、漢字なんか存在しないわけだから、音の豊かな韓国語の方が便利かもな。

とは言え、姦淫が간음 「カンウム」ってのも、宗教学的にチト淋しい。
近くて遠い国
韓国初体験三日目。
これから朝食だ。

思へば、オレも今までいろんな国を訪れた。
この韓国ほど、地理的にも民族的にも文化的にも近い国はあるまい。
しかしまた、これほどコミュニケーションに苦労した国もない。

まず、英語が通じない。
これは無理もあるまい。
英国は地球の裏側なんだから、そんな国の言葉は、お互い知らなくて当然だ。
日本語もほとんと通じない。
以上は覚悟していた。

最近よく行く中国も、状況は基本的に同じ。
しかし、ひとつ大きな違いがある。
漢字だ。
字体の異同は多少あるが、道路標示も、飯屋のメニューも、だいたい想像できる。
会話も筆談という手がある。
しかし、韓国に、漢字は、なかった。
ほとんどハングル文字だ。
代表的な新聞・東亜日報を開いても、1ページに漢字がひとつあるかないかだ。
あとは全部ハングル。
かかる事態は想像していなかった。

この文字はシステマチックにできている。
利発な人で三時間、愚鈍な人でも三日もあれば覚えるという。
そこでオレも挑戦した。
一日でかなり読めるようになる。
しかし、今のところ、あまり実用的ではない。
まず、読解にえらく時間がかかる。
ほとんど暗号解読のレベルだ。
そして、発音できても意味がわからない。
たとえば、requiem eternam dona eis domine というラテン語、キミたちはなんとか読めると思うが、意味はわかんないだろう。
それと同じだ。

というわけで、ハングル文字が読めても、今のところコミュニケーションの役には立たない。
実際、今滞在しているホテルの、朝食開始時間さえわからなかったのだ。
そういう超基本的な事柄さえコミュニケーションできないという事態は、オレの三十有余年の海外体験でも初めてだ。
近くて遠い国を実感。
今日の韓流
韓国にいる。
中部の俗離山というところ。
文字通り、俗を離れている。(かな!?)
今日で二日目。

韓国は初めてだ。
いちばんビックリしたのは、夕飯!!
たとえば、何人かで飯屋に入るだろ。
それで、チゲ(鍋)かなんかを注文する。
すると、注文もしてない小皿の料理が、山ほど運ばれてくる。
どれも野菜料理。

特に、キムチがドサッと来る。
白菜を半分にタテ切りして、そのまんま。
それと青菜がニョキニョキ数本。
そいつをオカミさんがハサミでジョキジョキ切る。
ダイナミック!
三日くらい前に漬けたんだという。
激ウマ。さすが本場。
コレ、全部、タダなんだって。

それとマッコリ。
昨晩の飯屋では、茶色のクリアなやつが出た。
ナツメと米でできているんだと。
今日は茶色の白濁したやつ。
ピリッと炭酸発酵していて、美味であった。

昼飯は、法住寺でタダで頂く。
これもなかなかの精進料理であった。
(あとで少々寄進致したが)

ともあれ、韓飯、スゴすぎ!!
宇和島のさつま
伊予の宇和島にいる。
珍しいものを食ったので、記しておこう。
さつま汁という。

一見すると、とろろ汁のようなものだ。
白味魚をすりつぶし、だし汁と味噌でといたもの。
白飯にかけて食う。
美味。
若いウェイトレスに聞くと、実家では遠方の客に出すという。母親は作れるが、自分は作れないそうだ。
宇和島の郷土料理とのこと。
なぜ「さつま」と言うかは、誰も知らなかった。

じゃこ天というのもうまかった。
薩摩揚げみたいなもん。
地元でいう「えそ」などの小魚をすりつぶして揚げたもの。
これも宇和島の名産とのこと。
真田の鎗
東北出張の折、時間があったので松島の瑞巌寺に寄る。
あいにく修理中で本堂は見られず。
境内の博物館で白隠展をやっていた。

展示物の中に異彩を放っていたのが『死法語』。
死を主題にした即席の歌がいくつも並ぶ。
そのひとつにいはく;
「臍の底でひとたび死んだ男には 真田が鎗も歯も立たぬぞや」
すなわち、腹の底で死んだら、もはや怖いモノ無しということ。
この「真田が鎗」というのはおそらく、戦国の世に勇名を馳せた真田幸村の十文字鎗のことだろう。
大阪夏の陣で家康の心胆寒からしめたのはよく知られたところだ。

白隠が「怖いモノ」の代表に真田の鎗を挙げたのは、偶然ではあるまい。
白隠の師のひとり正受老人は、実のところ、幸村の兄・信之の末子であった。
つまり幸村の甥ということ。
若き日の白隠はこの正受老人から様々な鉄槌を受けることになる。
その鉄槌こそ、白隠にとってはまさに「真田が鎗」。
そうした鉄槌によって白隠は死にゆき、さしもの真田が鎗も歯が立たなくなったというわけだ。

こんなのもある;
「何事もみな打ち捨てて死んでみよ えんまも鬼もみな仏だぞ」
博多への道
普通は飛行機を使う。
今日は新幹線を試してみた。
土曜日、東京駅午後4時50分発、博多行き。自由席。
新横浜から新大阪まではほとんど満席。
岡山を過ぎるあたりからガラガラ。
博多駅に着く頃には、車両に4〜5人。
おそらく東京駅からずっと乗ってたのはオレひとりくらいだろう。
みんな飛行機を使うのか。

5時間少々の旅。
読書もパソコン仕事もたっぷりできる。(窓側に電源あり)
CO2は飛行機の約四分の一。(乗換案内によると)
博多駅の隣のホームには500系が停まっていた。(乗りたい)