ぱるばか日誌 2024
<< April 2012 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
帰国早々・福島の線量
インドから戻り、成田から福島へ直行する。
いわきへ出張だ。
とあるギャラリーで弊社の展示会があったのだ。
いわきは昨年6月ウパニシャッド(喜納昌吉)&チャンプルーズの支援コンサート以来だ。

福島といえば、みな心配しているのが放射線。
ポケットガイガーをいつも持参している私は、さっそくギャラリー内で計測する。
0.08μSv/h。
東京の拙宅より低い。
ギャラリーのオーナーが、近くの薄磯海岸へ連れて行ってくれた。
いわき市内で最も津波被害の大きかったところだ。
平薄磯の集落がすっかりなくなり、土台しか残っていない。
イタリアのポンペイを思い出す。
集落の端に位置する豊間中学校の校庭には、震災ガレキが山と積まれている。
その周辺で計測すると、0.22と0.17μSv/h。
やはりちょっと高い。ただし、その放射線の由来が、ガレキにあるのか、土地にあるのかはわからない。
どちらにせよ引き取り手はあるまい。中学校も閉鎖されている。
そこから岬を越えた豊間海岸は、かつて世界大会も開かれたというサーフィンの名所だ。
昨日も高い波が立ち、数人のサーファーが海に入っている。
その駐車場で測ったところ、0.42μSv/h。
新型ポケットガイガーで計測した最高記録だ。
同じいわき市内でもこんなに違いがある。

福島の西部、会津地方。
芦ノ牧温泉と、昭和村の室内で計測。
いずれも0.04μSv/h。
原発事故前と大差ないんじゃあるまいか。
それでも芦ノ牧温泉はいまだ風評被害を被っているようだ。

ところで、泊まった宿々で気づいたことがある。
温熱便座が熱いのである。
あれは相当電気を食うそうじゃないか。
ウチは東京の高冷地だが、真冬でも便座には通電しない。
布製のカバーをかけておけば、別に不自由はない。
カバーをしなくたって、座り方の工夫でどうにかなるものだ。
ちょっとガマンすれば済む話。
福島からしてこうなのだ。
日本中の温熱便座の電力使用量を総計したら、原発ひとつ分は行くんじゃないか。
再稼働を云々する前に、やるべきことはまだまだあるだろう。
搭乗券を失くすとどうなるか
MUに乗ると何かが起こる。
今回は搭乗日を間違えた。
でもなんとか繕って、昨日夜、デリー空港で無事、上海経由東京行きの搭乗券を受け取るのであった。
搭乗券さえ手にすればもう安心。
⋯と誰もが思うだろう。
しかし、その搭乗券を失くしたらどうなるか。

それが今回この身に起こったことだ。
搭乗日を間違えた上に、搭乗券まで失くすか?
失くしたのである。

空港ラウンジでくつろいでいるときに気づいた。
どこを探しても無い。
セキュリティーまでは持っていた。
持ってなかったら通過できない。
ラウンジの係員に相談すると、よく探せという。
探しても無いと言うと、搭乗ゲートへ行けば再発行してくれるという。
そこで搭乗ゲートに行って係員に相談すると、とにかく探せという。
もう何度も探しているんだが、しょうがないから探していると、係員がどこかに電話している。
2〜3分後、上役の係員がやってくる。
オレに向かって、あなたは搭乗券を失くしたのかと尋ねる。
そうだと答えると、これがあなたの搭乗券だと言う。
その手を見ると、いろいろスタンプの押された紙片がある。
マイ搭乗券であるようだ。やっぱりどこかで落としたのだ。
それを誰かが拾って、届けてくれたのだろう。

というわけで、無事、搭乗できたというわけ。
もし誰も拾って届けてくれなかったら、どうなっていたかはわからない。
こうやって東京行きMU機の中に座っているのが嘘のようだ。
不思議な不思議なエアライン。
もしかしたら黄海上空で北朝鮮のミサイルに打ち落とされたりしてな。
⋯と思ったが、その前に向こうは失敗したみたいだ。
搭乗券は大切にしましょう。
カワセミの奮闘
やっと帰国の途につく。
手始めに、シリケシ近郊のデラドン空港からデリーまで飛ぶ。
かのキングフィッシャー航空だ。英語でカワセミという意味。
先日も触れたが、年初、経営不振により勝手に便をキャンセルして、インド国民の顰蹙を買った会社だ。
インド国民ばかりではない。日本から香港経由でインドへ飛んだ友人たちも、同社のキャンセルにより大迷惑を被ったそうだ。

それでもまあ、オレはヒマでもあったし、ここ一月ほど見守ってきたのだ。
文字通り。
というのも、オレの滞在していた部屋からは、デラドン空港の飛行機発着が見えるのだ。
キングフィッシャー航空は、毎日2〜3往復、便を飛ばしていた。
で、印象としては、だいたい時間通りに飛んでいたようだ。

今日はこれから上海へ飛ぶのであるが、出発時刻は夜中の2時30分。
かなり時間に余裕があるから、キングフィッシャー便を使うことにする。
プロペラ機だから楽しいのだ。
予約してみると、これが2300ルピーと、すごく安い。
同時間帯に飛ぶジェット航空便の半額だ。
一度失った信頼を取り戻すのは容易ではないのだろう。
反動として、競合するジェット便の運賃は、日によっては1万ルピーを超える。
ホント、インドの航空運賃は市場原理に忠実だ。

こんなに安い運賃なのに、搭乗率は半分くらいだったかな。
乗客も外国人が目立つ。おおかたリシケシからのヨガ客だろうから、時間はたっぷりあるのだ。
あるいは、単に事情を知らないとかな。
忙しいインドのビジネスマンだったら、倍払ってもジェット便にするであろう。
(忙しくないビジネスマンは250ルピーで7時間かけてバスで行く)

しかしながら、
オレの予測通り、
ちゃんと飛んだのである。
プロペラのキングフィッシャー便。
定刻よりもわずか2分遅れだ。

こうして地道に信頼を回復するほかあるまい。
ぐゎんばれ、カワセミ君!!
奇跡のMU
MUというのは、
無か、
はたまたムーか。

いや、中国東方航空のこと。
昨日の続きだ。
昨夜、搭乗便をドタキャンしたのであった。

今朝6時、日本時間の9時半、東京の弊社事務所に電話を入れる。
スタッフに事情を話し、MUの東京事務所に電話をかけてもらう。
「昨夜キャンセルしたので、13日の便に変えてもらえないか」と。
ほどなくスタッフから電話が返ってくる。
MUに連絡したところ、いとも簡単に変えてくれた、と。
それから、昨夜の予約はキャンセルになっていなかった、と。

って、ノーショーじゃん!!!!

オレも怪しいと思ってたのだ。
昨夜デリー空港のMUカウンターに電話して、お姉さんにキャンセルを頼んだのだが、なんか対応があやふやだったのだ。
ともあれ、ノーショー(不搭乗)にもかかわらず、MUは搭乗便を変更してくれたのだ。
しかる後、オレのメアドにEチケットを送ってきた。
今度は間違えないようにしないとな。明日の夜だ。

そういうわけで、MUというのは、かなり使いやすい。
電話一本で変えてくれて、Eチケットも送ってくれる。
今回は結局、三度も日程を変更して、しかも無料だった。
インド航空だと、こういうわけにはいかない。
市内のオフィスまで出向いて長〜く待たねばならないし、変更料も必要だ。
MUは上海経由で時間はかかるが、そのぶん安い。
今回はビジネスクラスだったが、ベース運賃は11万くらいだったような気がする。しかも座席は広々。
上海で途中降機可だから、上海はもとより、蘇州、杭州など、江南の名所も観光できる。
ただ、最近はインド行きの格安チケットを出していないみたいだから、代理店でチェックする必要あり。

しかし、MUって、よくこういうことがある。
オレの場合。
前回は西安で、定刻の5分前に空港に飛び込んで、乗せてもらった。
今回は、ノーショーで変更だろ。
奇跡のムーだ。
やっぱ、先入観に囚われず、いろんなエアラインを試してみるものだ。

実は、今回MUがダメだったら、スリランカ航空で帰ろうかと思っていた。
インドの旅行サイトYatraで調べて見ると、いちばん安いインド ― 東京片道便が同航空だったのだ。
総額三万円台で行ける。
一度モルジブ路線で乗ったことがあるが、ちょっと面白かった。
スリランカ人(シンハラ人)というのは、おそらくかつて最も南下した欧印語族であろう。
機体デザインも悪くないし(MUよりマシ)、今度チェックしてみよう。
幻の上海便
しかし、こういうことってあるもんだ。
世界を旅し始めて三十年を超えるが、初めてかもな。

明日、ひと月のインド出張を終え、日本に戻れる!
⋯と思っていた。
夜中の便だ。
中国東方航空MU564便上海行き。
デリー発、11日02時30分。

って、今晩じゃん!!!!!!

さっき気づいた。
21時半ごろ。
出発時刻の約5時間前。
ネットで調べると、MU564便、しっかり定刻のようだ。
ここはリシケシ近郊。車を飛ばしても空港まで5時間はかかる。
だいた何の準備もしてないし。
近年稀に見るポカだ。

あわてて東方航空デリー支店に電話をかける。
夜の十時前じゃ出るわけない。
そこでデリー空港の東方航空カウンターに電話をかける。
のんびりした感じのお姉さんが出る。
事情を話して、13日の便に変更してくれと頼むと、名前を聞かれる。
T for Telephone, A for America, N for New York⋯
明朝デリー支店に電話をかければOKだという。
ホンマかいな??
格安航空券なのに、こんなドタキャンが許されるのか!!
ま、今からじゃどうしようもないから、寝るほかない。

この一ヶ月、ほとんど毎日三食インドカレーだったからな。
あさっては本場上海の中華!!!!
のはずだったのに⋯。
インドでiPhone4S
我がiPhone4SはSIMフリー版だ。
日本で通販で買った。
だからインドでも当然使える。

今までインドでは、vodafoneのSIMを使っていた。
プリペイドなんだが、やたらに減り方が早い。
ごくマイルドな使い方でも、一日百ルピーは行ってしまう。
いろんなアプリが入っているから常にデータ通信しているのだろう。

そこでideaのSIMに替えてみた。
ideaのプランは、データと通話のチャージが別々だ。
データは30日有効の1Gで、350ルピーだったかな。
1Gあれば、よほどネットを酷使しない限り、一月は持つだろう。
無制限の場合、30日で千ルピー。

ネットの設定は;
設定→一般→ネットワーク→モバイルデータ通信ネットワークと進み、
その中の、「モバイルデータ通信」のAPNにinternetと記入、それから下方にある「インターネット共有」のAPNにもinternetと記入する。
わりあいシンプルだ。

便利なのは、テザリングもできること。
USBとBluetooth経由でパソコンのモデム代わりになるのだ。
Bluetoothで試してみたところ、180kほどの速度が出た。

ただし、州外に出ると、ネット通信にローミング代がかかる。
料金は1Kbあたり4パイサだという。1Mだと40ルピーかかることになる。
この料金は通話チャージの中から引かれる。

また、iPhone4SはマイクロSIMだが、もしかしたらideaは普通のSIMしか出していないかもしれない。
オレの使っているSIMも、もとは普通のSIMだった。それを友人がハサミで切ってマイクロにしたのだ。
それでもちゃんと動いている。
インドに不可能の文字はない。(可能の文字もないが)